ステンレスヘアライン(シルバー)の切り文字表札と錆について

【ステンレスヘアライン(シルバー)の切り文字をご購入予定のお客様へ】
ステンレスは錆びにくい素材で表札用としても優れた素材です。
しかし、ステンレスでも絶対に錆びないわけではありません。
ステンレスヘアラインの表札をご購入の前に下記の点をご確認ください。

【当店の取り組み】
1.SUS304=ステンレスヘアライン表札はさびにくいsus304を用いており、ボルト棒の熔接方法もスタッド熔接法を用いております。この溶接法は、ステンレスの錆発生の原因となる熔接による熱損傷の少ない方法です。
しかし、残念ながら絶対錆びないというものではございません。予めご了承ください。
2.防錆剤=当店では錆発生の予防として、ステンレスヘアライン表札に防錆剤を塗布して出荷お届いたします。
3.メラミンスポンジ=万一、錆発生時の対処法としましては、メラミンスポンジを用いることをおすすめしております。
細かな入り組んだ箇所にはスポンジがうまく入らない場合もあります。そんな場合はメラミンスポンジのシートタイプ(100円均一ショップでもあるそうです)が便利です。少し濡らしてから、こすって錆を落として、よく乾燥し乾いた布で拭き取ってください。

【ステンレスが錆になぜ強いかについて】
ステンレスが他の鉄鋼材料と違うのは、その表面が常に不動態皮膜とよばれる薄い膜で覆われており、
これが防御壁となってステンレスそのものを守っており、この膜が破壊されなければ、腐食も進まず、錆も発生しないという点です。
この膜は、1ナノメートルと極めて薄く、無色透明であるため肉眼では確認できません。
ステンレスは、鉄にクロムを混ぜることで、表面に不動態皮膜と呼ばれる膜を形成します。
クロムは鉄よりも酸素に結び付きやすい特性から、鉄が酸化するよりも先にクロムが酸化し、酸化皮膜となって表面を覆います。
不動態皮膜は、傷がついてもすぐに再生していくため、他の金属に比べても腐食や錆びに対して強い材料となります。

【それでも何故ステンレスは錆びるのか】
それでもステンレスが錆びてしまう、つまり腐食が進んでしまうというのは、この保護膜(不動態皮膜)が破壊され続け再生が追いつかないか、
そもそも再生自体が阻害されてしまうような環境下に置かれたときです。
鉄が「錆びる(腐食する)」という現象は、酸素が鉄と結び付いて「酸化鉄」が発生することで起こります。

【錆びる原因1 ステンレスの粒界腐食】
金属はその金属組織をミクロ的な視点で見た場合、結晶粒の集合体という見方ができますが、この結晶粒の境界面が「粒界」と呼ばれる部位です。

ステンレスで粒界腐食が起きるのは、溶接やレーザ切断の際に発生する熱と考えられます。
650℃近辺に加熱すると、ステンレスの表面に炭化クロム(Cr23C6)が浮き出てきますが、これによってステンレスの中にもっているクロムが外に析出部として出て行ってしまい、錆びや腐食に対して耐性を持たせるためのクロムが不足してしまいます。これによってステンレスを錆から守る不動態皮膜がうまく形成されなくなるからです。

【錆びる原因2 ステンレスの孔食】
つぶつぶの穴状の腐食が孔食(こうしょく)と呼ばれるものです。
穴はピットとも呼ばれます。塩化物イオンの濃度が一定の範囲を超えると、不動態皮膜が不安定になり、この膜が破壊されたまま、不動態皮膜が再生されなくなります。

もらい錆の原因と考えられます。もらい錆とはその名の通り、ステンレスそのものが錆びたのではなく、ステンレスの表面に錆びる素材のものが長時間触れていることで錆がくっついてしまっている状態です。 さらに、ステンレス自体は錆に強いのですが、表面にもらい錆がつくと、そこを起点に錆が進行します。流し台のシンクに空き缶や鍋を放置していたり、ヘアピンを置いていると錆びてしまう現象です。その状態がもらい錆です。 ステンレス表面の酸化被膜は水分、塩分、油や強酸性、強アルカリのものに弱い特徴があります。そのため、濡れた状態や潮風が当たる場所などで使用する際は、特にもらい錆が発生しやすいので要注意です。

【sus304とsus430の使い分け】
当店ではステンレス切り文字表札にはsus304というステンレス素材を用いており、
クロムとニッケルを成分に含むステンレスの代表格で、最もよく使われるステンレスです。
sus304の基本的な性質は、大気中での耐食性、耐酸性、耐孔食性、隙間腐食への耐性といった錆や腐食に強い点が挙げられます。
また、SUS304はいろいろな方法で加工でき、その加工のしやすさから複雑な形状の製品も作り出すことができます。当店では、磁石にくっつくsus430というステンレスをマグネット取付の場合には使用しております。
しかしsus430は孔食指数は17.0と、ステンレスの中では比較的、錆に弱いタイプになります。sus304は19.0です。
しかしマグネットにくっつく素材で、鉄より錆びにくい金属で、入手しやすいものはsus430が代表格です。

【SUS304とSUS430の特徴】
SUS304とSUS430はどちらも優秀で代表的なステンレス素材ですが、違う種類と定められているだけあってやはり性質や性能には違いがあります。
同じステンレスでも結構違いがあるので、どう違うのか一つ一つ見ていきましょう。

【磁性】=オーステナイト系のSUS304は磁石にくっつかず、フェライト系のSUS430はくっつきます。
これはオーステナイト系とフェライト系の原子の構造に違いがあり、オーステナイト系は磁性を打ち消し合う構造になっているためです。もともと鉄やクロム、そしてニッケルにも磁性があるものの、ニッケルは混ぜることにより構造が変化して、オーステナイト系のSUS304は原子が磁石を打ち消し合う向きに並んでしまい、磁性が無くなります。

【耐熱性】=SUS304もSUS430もどちらも優れた耐熱性を持っていますが、SUS304の方が高い耐熱性を持っています。特にSUS304は熱伝導率が低く保温効果があるのでなかなか熱を逃がしません。そのため、温かい飲み物を入れても冷めにくくしたい、水筒やコップを作るのに適しています。

【耐食性】=耐食性とは腐食のしにくさ、金属で言うと錆びにくさを表します。ステンレスは元々錆びにくい性質を持つため、耐食性でもSUS304、SUS430と共に高い耐食性を持ちますが、こちらもSUS304の方が優れています。ニッケルには耐食性を高める役割があるので、それが含まれるオーステナイト系のステンレスがより錆びにくくなります。

【強度】強度もSUS304が勝ります。ニッケルを混ぜると強度が高くなる働きもあるため、クロム単一のフェライト系はどうしても劣りますね。ただし、加工硬化という現象により、一度加工することで強度は上がるものの、ステンレスが硬くなって次の加工がしにくくなるというデメリットもあるため、加工する際には留意する必要があります。

【価格】性能が高いだけあってSUS304の方が価格が高くなります。ニッケルが高価な素材であるため、その分価格に反映されてしまいます。なんだかSUS430がずいぶん劣っているように思えるかもしれませんが、そうとも限りません。SUS430も耐久性にも加工性にも優れ、コストも安いので非常に使いやすい素材には間違いありません。

【ヘアライン ステンレスで錆を防ぐ方法】
上記の理由が主な錆びる原因です。そこで当店では、被覆防食=材料をコーティングして錆を防ぐ方法を採っております。
腐食はステンレスの表面から発生するわけであり、空気も水や他の物質が直接触れないように表面をコーティングして錆の発生を防ぐ方法です。防錆剤成分(鉱物油、防錆剤、石油系溶剤の合成物)によるコーティングで、ステンレス表札を被膜で覆い、空気を遮断させて錆びにくいという防錆効果を求める方法です。
当店ではこの方法でヘアラインステンレス表札には防錆剤を出荷前に塗布します。

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